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Who is your daddy?

この前の大リーグプレーオフのレッドソックス×ヤンキースの第2戦を、テレビで見ていてふと気づいた事があります。
ヤンキースの本拠地での試合だったのですが、観客がしきりに何かを叫んでいる。
しかも一人や二人ではなく、ヤンキースファンの大多数が、だ。
実況曰く、観客は“who is your daddy?”と叫んでいるらしい。
でもそれだけじゃ、何がなんだかさっぱり。
興味を持って調べてみると、その概要が分かってきたので書いてみようと思う。

発端はプレーオフ前の、まだ両チームがアメリカンリーグ東地区の優勝を争っている中での、ボストン(レッドソックスの本拠地)での決戦。
レッドソックスは負ければほぼ優勝の望みが断たれる、という重要な試合の先発マウンドには前に書いたペドロマルティネスが上がった。
しかし試合は松井の27号同点ホームランもあり逆転負け。
打ちのめされた彼は、試合後の記者会見で、

“What can I say? I just tip my hat and call the Yankees my daddy.I can't find a way to beat them at this point. You just have to give them credit and say, `Hey, you guys beat me, not my team.' I wish they would [expletive] disappear and never come back."
「もう帽子をとって、ヤンキースは僕のダディだというしかない。今は、彼らをやっつける方法が見つからない。すべての責任は俺にある。彼らには永遠に消えてもらいたいし、ここに戻ってきてほしくない。」(みたいな内容。)

という弱気な発言をしたという。(常に強気な彼には珍しいらしい)

そして問題のその試合。
先発は・・・、そうペドロマルティネスだったのです。

ヤンキースファン(彼らもその発言には驚いたようです)は彼のその発言を知っており、

“who is your daddy?" 「お前の親父は誰だい??」

という皮肉たっぷりの言葉で攻撃していたようです。
彼が投げている間はずっと、NYのファンはそれを叫んでいましたね。
結果、彼はまずまず良い投球をしながらも、また負けてしまいましたが・・・。

しかし因縁の対決とはいえ、一人の選手の発言がここまで大きくなるとは・・・。
それが善いか悪いかは別にして、こういう部分は日本のプロ野球には絶対にないので、大リーグの一つの醍醐味かなぁ、と思います。

そして今日、ペドロが今度はボストンで投げる模様。
このままヤンキースに“親孝行”してしまうのか、それとも親離れするのか。

レッドソックスの反抗!

今朝、ヤンキース3勝で迎えたリーグ優勝決定戦の第4戦を、後がないレッドソックスが土壇場で追いつき、最後はサヨナラで6ー4の勝利を収めた。

この試合、追いつき、勝ち越したのはタイムリーヒットでありホームランであるけど、レッドソックス劣勢の流れを変えたのは、9回裏に代走で出てきたデーブ・ロバーツだと思う。
ちなみに彼について少し語っておくと、彼は沖縄生まれの日系人です。
移籍前はドジャースにいて、野茂・石井のチームメイトでした。

3ー4で迎えた9回裏、マウンド上にはヤンキース守護神リベラ。
先頭バッターがシングルヒットで出ると、レッドソックスベンチはすかさず代走を送る。
そのランナーがデーブ・ロバーツ。
この試合、彼がアウトになってしまえばそのまま試合が終わってしまう可能性が大きくなってしまう上に、リベラは彼に何度も牽制球を送っていた。
ここで彼の盗塁を考えた人は少ないんじゃないだろうか?
でも次の瞬間、彼は盗塁を試み、際どかったものの成功させてしまった!
そのプレーがスタンドの雰囲気はもちろん、第3戦までの暗い空気をそのまま引きずっていたレッドソックスベンチの空気も変えたと思う。
そして次の打者のセンター前ヒットで彼は生還し、土壇場で同点に。

延長戦は見れなかったのですが、レッドソックスの勝利を聞き、第5戦以降ヤンキースはかなり手こずるだろうと思いますね。
僕はあの盗塁でシリーズの流れ自体が変わると思っています。
それでもヤンキース優位は変わりませんが。

そういえば、日本シリーズ第2戦、中日劣勢の流れを断ち切ったのも、ホームランでもタイムリーでもなく、井上のダイビングキャッチでしたよね。
やはり野球は走・攻・守のいずれもがどれだけ大事かを教えてくれる、ロバーツと井上のプレーでした。


 
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